鎌中ひとみ(映画監督)の反論

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┗■2.風評被害を助長するという声の影に事実が抑圧されている
 |  そんな現実があると福島に行くたびに私は感じています
 |  野口邦和、安斉育郎氏の新聞コメントへの反論
 └──── 鎌中ひとみ(映画監督)

 野口さんの見解ですが、急性放射線障害をそのまま今回の鼻血にあてはめて断定的に否定をしていらっしゃいますがいかがなものか、、断定してしまっていいのか? と思います。
 私も取材の中で沢山の鼻血経験を聞いています。
生まれて初めて出した、子どもたち、大人たちが多いです。
 ベラルーシの医師に訊ねたところ鼻の粘膜にセシウムが吸着し、そこから出てくるガンマ線で皮膚がない場所にある毛細血管が破壊されるのだ、という答えでした。そしてその破壊された毛細血管からセシウムが体内に入っていく、と。
 チェルノブイリでも非常に多くの子どもたちが鼻血を出してあまりに大量で、救急車が出るくらいだったといいます。
 広島でも鼻血を出した人を肥田先生は沢山目撃しています。
 チェルノブイリの子どもたちが日本に保養に来ると最初は良く鼻血を出していた、と里親たちも言っています。
先日、私のカメラマンも福島から帰ってきて鼻血を出しました。50代です。
 井戸川町長の被爆線量は事故直後26万ベクレルぐらいあったそうです。事故後から彼は鼻血が出るようになった。だからその関連を疑っている訳ですよね?実際、本当に沢山いますよ。
 例えば国会でも証言されています。
  「179-参-東日本大震災復興特別委…-8号 平成23年12月02日
○参考人(宍戸隆子君)
 北海道に避難している方たちといろいろ話をしまして、その中で、例えば鼻血なんですけれども、そういうような症状を訴えていたお子さんが非常に多かったです。
 熊谷大議員(自民党)の予算委質問(2012年3月)。
 「四月から七月二十二日現在の保健室利用状況では、内科的症状で延べ人数四百六十九名。内科的症状では、頭痛、腹痛、鼻出血…順に多くということ

 野口さんと安斎さんの意見を聞いても統計化されていなければ科学的ではない、と言われても現象として鼻血は出ている。それを訴えている人がいる。
その事実を簡単に否定するのではなく、もっと慎重に検討を続けるという姿勢が望ましいのではないですか?
 急性放射線障害にならなくとも事故後、福島から北関東、首都圏にかけて多くの人たちから鼻血が出た、実際でている。
 白血病の副作用としての鼻血とはもちろん違うものです。それが直接重篤な病気に直結するものでもないかもしれません。
 私が須賀川で会った少年は事故直後 レジ袋にばしゃばしゃと溜まるぐらい鼻血がでたが今は止まっていて、元気でした。
 野口さんと安斎さんの意見は絶対ではない、まだ謎がある、と私は思っています。
 そして偏見を助長するから解明されてもいない事実は語るな、ということではない、のではないですか?
 風評被害を助長するという声の影に事実が抑圧されている。
そんな現実があると福島に行くたびに私は感じています。

ここまで

たんぽほ舎【TMM:No2168】から転載